本書は、令和4年、福井教区門徒研修会に一楽先生をお招きした時の講演録です。教区で協力して文字に起こし、先生に校正していただきました。ともに教えを聞いていきたいという願いのもとに、本書が発行されています。ご賛同いただければ有り難く存じます。
一楽 真(いちらくまこと)
1957年石川県生まれ
真宗大谷派宗円寺(小松市)住職
大谷大学教授 博士(文学) 2022年4月より学長
著書
『大無量寿経講義 -尊者阿難、座より起ち-』(文栄堂)
『親鸞聖人に学ぶ -真宗入門-』(東本願寺)
『親鸞の教化 -和語聖教の世界-』(東本願寺)
『この世を生きる念仏の教え』(東本願寺)など多数
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目次
はじめに
いかなるふるまいもする人間
悪人
サル化する人間
三悪道
一番苦手
誰に法を説かれたのか
阿弥陀にたすけられなさい
無量寿に出遇う
愚悪の凡夫
相模原事件
七万回の念仏
邪見憍慢悪衆生
清らかな心
悩みがあるからこその求道
六角堂の夢告
周利槃特のはなし
キサー・ゴータミーのはなし
唯説弥陀本願海
念仏のはたらき
人間は炭団
天上天下唯我独尊
阿弥陀の世界に行け
念仏の声
たった十遍の念仏
親鸞は弟子一人ももたず
世のいのり
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本書より
安田先生は、「人間はな、磨けばダイヤモンドになるとか、洗えば白くなると思いたいんや。でも凡夫っていうのは洗っても白くならん、磨いても芯の芯まで真っ黒なんや」とおっしゃっていました。それを「たとえば炭団(たどん)のようなもんや」と。
みんな「はー、炭団かー」と、がっくりとなっていたところに、「炭団は輝く方法が一つあるんや」とおっしゃるんですね。「炭団を磨いてダイヤモンドにしようとしたり、洗って綺麗にしようとするのは方法が間違っとる。炭団が輝く方法は… 」
A5判 89頁